enodrawという物の考え方

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作画サンプルの完成度に騙されてお蔵入り。結果より過程を重視せよ!
DTPソフトの評価は作画サンプルの品質が重要な位置を占めている。 実際にサンプルを見てDTPソフトの購入を決めた人も数多いだろう。 店頭にあるパッケージソフトを買ったのなら、その帰り道は自分が作成したデザインを想像しながら、さぞウキウキ気分であったのではないか。 早速自分のパソコンにインストールし、作画してみると、これがなかなか手ごわい。 カタログにあった作画サンプルのレベルを目指そうものなら、相当な勉強と時間を要してしまう。 この場合、最初の内は頑張って作画するかもしれないが、1年もたたないうちに使わなくなってしまう人がほとんどだと思う。
全く別の例えだが、通販の健康器具も同じではないか。自分の痩せる姿を想像し注文するのだが、思ったほど効果があがらずに結局は押入れ行き。 実際のスポーツの様に、その競技のおもしろさや他人との出会い、協調が存在しない健康器具にいかなる技術革新があろうとも永続性はない。 (もちろん、人は多種多様。それを使いこなして大減量に成功する人がいる事も否定しないが。)
つまり、省力性を徹底的に追及し、結果より過程を楽しめるものでないと、どんなに時間をかけて丁寧に作られた物であっても、 ほとんどの場合でお蔵入りの運命となるだろう。

[長時間+綺麗]よりも[短時間+実用]
DTPソフトにて生計を立てている人ならともかく、そうでない人にとっては時間をかけて綺麗なものを作るよりも、 すぐにある程度のものが出来上がる方が、実際の生活において利益となり、たのもしく感じるだろう。
例えば家の前に見知らぬ車が堂々と留っている。そこで「駐車禁止」と大きな文字を書いた紙をフロントガラスにはさみたいが、 たった4文字の紙を作る為に、ソフトの起動、文字の入力、フォント及びフォントサイズの変更、 そして位置合わせをする為の数回に及ぶ印刷プレビューと編集の繰り返しがあったりすると、 車の事よりもソフトに対するストレスの方が大きくなってしまい、次からは作成する意欲が欠け、手書きで書いてしまうだろう。
それに対し、数秒で文字を入力、印刷プレビューなしで1発印刷というソフトがあるならば、 仕事をてきぱきと片付けた時と同じ爽快感が生じ、相手に対するストレスも若干抑えられるかもしれない。
ソフトによっては、早く完成させる為の機能として「テンプレート」や「部品貼り付け」の様な機能を有しているものがあるが、 こんな機能が存在するのは1から図を描いたり、それを編集したりする機能が劣っている事を物語っている。 機能が低い事の責任をなぜユーザが機能追加という形で負担しなければならないのか? それでも他人の作成したフォーマット,レイアウト,配色で満足するならばそれでよいが、 実際に我慢してでも使えるのは数10種類の内、2〜3種類であったりする。これくらいならば自分で作ってもたかが知れている。 取っ付きは良いが実用度の低い機能に騙されないようにしなければならない。

使わない機能てんこ盛りよりも、かゆい所に手が届く方が重要
コマンドやプロパティーが一杯あるものが高級なソフトであると解釈する人も多い。
作る側も簡単に実現できそうな機能をニーズもないのにむりやり考えて追加している。
一方、ニーズはあるが作り込みが面倒な機能はA社B社C社..とすべてのメーカをチェックしても見事にそこだけが抜けていたりする。
使わない機能がリソースを占領しているのはむしろ減点と考えるべきである。 また、有用な機能ができると名言していても、実際には使い物にならない場合がある。 例えばDXFファイルの入出力が出来ると明言していても、元祖であるAUTO_CADとはやり取りできないような場合。
品質面でもある一定のレベルを超えないと、かゆいところに手が届くとは言えない。 [できる/できない]よりも、[どこまでできる/誰でもできる/何時間でできる]という判断基準が望ましい。

自分だけのカスタマイズは卒業すべき
配色を変えたり、ツールバーの位置を変えたり、ショートカットキーの機能を変えたりして独自の設定にするのが好きな人がいる。 そのカスタマイズ機能によりソフトウェア自体がどれだけ重くなっているか、またはトラブルの元になっているかを考えた事があるだろうか?
最近のウインドウズはマルチユーザになりユーザ毎に設定を持てるのだが、操作方法を変更するレベルのカスタマイズを加えてしまうと、 他人のパソコンを使用する場合にユーザ作成およびカスタマイズ設定作業が必要になる。 例えば、自動車の運転操作でブレーキとアクセルを入れ替えた車を運転できるかというと、ムリである。
特にDTPソフトは長時間/長期間使用するのが通例であるので標準設定に慣れる時間は十分にある。 手順が数多いなどの場合は話しが変わるが、押す釦の種類が変わるくらいは我慢して頂きたいものである。

本当の敵は「紙と机」
机などのスペースに比べ、パソコンの画面は小さい(時代とともに大きくはなっているが)。 一方、オペレーションシステムはどんどんマルチタスク性が高くなり、 実行されているサービス,アプリケーションの情報も数多く表示しなければならない。
結局はソフトウェアがあつかましく画面リソースを占有してゆく限り、ハードウェアがこれに追いつくことはない。 ドキュメントを作成するソフトウェアはドキュメントの表示以外のスペースを出来るだけ切り詰めるのが責務だと考える。
また、画面表示が小さい為に紙の方が有利になり、ついついプリンタに印刷してから閲覧してしまう傾向がある。 これを防ぐには表示の大きさだけでなく、リンクやしおり、スクロール、検索機能が付加される事が非常に重要である。
パソコンDTPソフトの敵は他ソフトではなく、「紙と机」であり、これに勝つ策を考えないと、 紙に埋れる実情から抜け出すことはできない。

使いずらいPDFに価値はない
PDFはアドビシステムが公開したファイルフォーマットで、プリンタへの出力フォーマットであるポストスクリプトを ネットワーク用に改良したものといえる。 本格的なネットワーク時代を迎えた今、プラットホームを越えたファイルフォーマットの違いによる、 見れる見れないのトラブルを防ぐのにPDFは脚光を浴び、実質的にドキュメント送付の標準フォーマットとなった。
起源がプリンタへの出力フォーマットである為、どんなアプリケーションからでも作成できるが、これを逆に考えると、 どんな形態のデータでも許容するという事になる。要するに無法地帯なのだ。

一番最悪なのは、スキャナで取ったイメージをPDFにしただけのもの。 これは単に紙をむりやり電子データに変換しただけである。 PDFリーダで閲覧しようにも相当重たく、拡大してもボケるだけ、イメージなので修正は一切できない。 これを閲覧するときには必ず印刷してしまうだろう。(それにもかなりの時間を要するが...)

また、ベクトルデータによりPDFされた物でも、その作成環境により色々な不具合がある。 例えば文字データをコピーしたり検索したりできない場合。 これは、プラットホームやPDF変換ソフトの性能,フォントの埋め込みが影響している。
その他ページ数の多い文書でしおりを設定する事や、飛び先表示にリンクを設定する等、 PDFリーダでの閲覧の際に、オペレータを助ける設定が全くされていない場合など。

そして納得がいかないのが故意的に行われるセキュリティーの設定。 パスワードを入れないと印刷やファイル保存,文字のコピー等ができないようになる。 これは著作権等を守るのが主目的だが、正当なユーザに大きな負担を強いる反面、ハッカーに対しては殆ど効力はない。 音楽CDの「コピーコントロールCD」がユーザの猛反対により大失敗した経緯を理解すべきである。

このようにPDFデータにもピンからキリまであり、紙より使いずらいPDFファイルは存在価値もない。

ソフトの共有を阻むDLL
ソフトをインストール/アンインストールする場合、「DLLを上書きしてよいか」とか「DLLを削除してよいか」という メッセージが表示される事がある。このメッセージに対して適切に答えてやらないと、他のソフトが起動しなくなったりする。 (上書き確認の場合、どちらが適切かはやってみないと分からないが...)

DLL(共有ライブラリ)を使用する事自体は、オブジェクト指向を推進する上で必要な事だが、その中身がバージョンにより 完全上位互換でなかったりすると大きな問題が生じる。DLLを上書きすれば、 それを使用している全てのプログラムの動作が保障されない。
一番怖いのはOSのシステムプログラムが動作しなくなり、OSの修復が必要になることだ。 なんでソフトをインストール/アンインストールするだけでOSの修復という問題に発展するのか?

元に戻らなくなるリスクを考えると、DLLは使用しない方がよい。 現在のハードディスク容量やメモリ容量ならばDLLを使わなくても全く問題はない。 (むしろDLLを使わない方が効率的である場面も多い。)
DLLを使用するにしても、アプリケーションのディレクトリにインストールすべきである。 この場合、EXEファイルがEXEとDLLに分割されただけの事であるが、 圧縮/解凍ソフトに見られる、コーデックをDLLにする様な使い方が有効でしょう。

enodrawではDLLや共有ライブラリ等は使用していませんので、上記の様な問題とは無縁です。 また、IME関係のDLLなど英語版Windowsには含まれないDLLは動的に結合している為、 英語版Windowsでも動作可能となっています。

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